アルザスワインのヴィンテージ

2017年

少ない収穫量に高い質

天候

早熟、高い質、収穫量の少なさが、このヴィンテージのキーワードです。2017年は、過去40年間において、2003年、2007年、2009年、2011年と合わせて5つの早熟なヴィンテージの1つに数えられます。全ての生産者は、そのワインの質の高さに感謝しましたが、収穫量の少なさに嘆きました。この年の天候条件が、またしても収穫量に大きな影響を与えたのです。

まずは、2017年の流れを振り返ってみましょう。数日間にわたってマイナスにまで落ち込むほど、非常に寒い1月でした。秋と冬は乾燥しており、雪混じりの雨も残念なことに水不足を解消する手助けにはなりませんでした。何よりもこのヴィンテージの大きな影響を与えたのは、4月20日と21日の大霜でした。アルザス地方では、1500のブドウ畑の80%以上が凍ってしまうという、4500ヘクタールが被害を受けました。!

開花は非常に早く、幸いなことに良い条件下のうちに進みました。続いて、7月頭の暖かい気候から夏が始まり、数日間の猛暑が襲いました。雨の少なさから、軽い土壌では成熟に遅れが発生します。全体的に気温の高かった天候が、収穫量は低いものの、質的には何ら遜色のない早熟なヴィンテージを造り上げたのです。

収穫

Comité Régional d’Experts des Vins d’Alsace (CRINAO)が決定した収穫日は次の通りです:

  • AOCクレマン・ダルザスが8月24日木曜日。
  • AOCアルザスとアルザス・グラン・クリュが、8月30日水曜日(区画管理局に寄せられた特別許可を除き)。
  • ヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルの全ての品種が9月13日。

8月末、ブドウの衛生状態は素晴らしく、べと病やボトリティス菌の病害は、いくつかの区画に抑えることが出来ました。収穫は最高の条件下で始まり、ブドウは見事な成熟度と期待できる酸度を示していました。そのため、醸造の際には特別な問題は起こりませんでした。ワインは強い個性を主張し、非常にアロマティックで、見事なバランスを持っています。1947年と共通点のあるワインです。

ワイン

酸度の高さから、クレマン・ダルザスはこのヴィンテージで大成功したワインの1つです。シルヴァネールとミュスカも同様に、ブドウにかじりついたような果実味と爽やかさに興味が引かれます。霜の影響を大きく受けたゲヴュルツトラミネールは収穫量は少ないものの、凝縮感の中に優雅さを垣間見せます。全てのピノ種(ブラン、グリ、ノワール)の質は、非常に優れています。ピノ・グリは、フルーティーで美しいバランス。ピノ・ノワールのタンニンは絹のように滑らかで、ワインは深い色合いです。区画毎に異なる成熟度だったために、リースリングの収穫は長引きました。ワインはほど良い酸味と果実味を表しています。
9月末の素晴らしい天候条件によって、ヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルを生産することが可能となりました。圧搾の段階で、その量は前年の2倍となる13 000 hlでした。

2017年、全てのAOCを合わせた収穫量は、2016年よりも20%以上減の 907 000 hlでした。2013年、2014年、2015年、に続き2017年の収穫量も少なく、アルザス地方では6年間分に相当する収穫量を失った計算になります!2012年/2013年、2015年/2016年の期間、在庫数が9.6%減少。同じ時期、品薄によりバルク売りでの取引が38%以上減少し、その波を受け、バルクの値段がユーロで40%以上高騰しました。2016年の収穫によって、2016年/2017年の在庫数が回復しましたが、それでも2012年/2013年の在庫数を下回っています。残念なことに、今年の収穫量も少なかったことから、2017年/2018年も品薄状態が続く見込みです。

アルザスワイン委員会(C.I.V.A.)
コルマール-2018年1月

アルザスワインのヴィンテージ

ブドウ収穫はその年によって変化します!毎年、自然の理とでもいうべき異なる気象条件がブドウ栽培者に課せられます。 年によって、これら気候の変化がワインの品質に影響を与えます。特にこれらの要素は、ボトルでの熟成に対してある種の指標を与えます。

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