1984年以降、ヴァンダンジュ・タルディヴのラベル表記は、過熟ブドウから造られた甘口ワインを意味します。
アペラシオン「アルザス」または「アルザス・グラン・クリュ」のラベルに合わせて表記することもできます。
アルザスのブドウ畑は、非常に少ない降雨量と秋の日照に恵まれた半大陸性気候であるため、豊作の年には、パスリヤージュ(ブドウの実を収穫せず、樹になった状態のまま完熟を越して置いておく事)や貴腐菌の発生に非常に有利な条件を備えているのです。こうすることで、リースリングやミュスカ、ピノ・グリまたはゲヴゥルツトラミネールなどの品種を通常の収穫期より、ブドウの豊潤さが凝縮された遅い時期に収穫することが出来るのです。
ヴァンダンジュ・タルディヴは、収穫時に規定された非常に高い糖度に達していること、最低18か月間熟成されていることが条件となります。ワイン生産者による多大な努力は、1984年3月1日付の政令によって、ヴァンダンジュ・タルディヴが公式に認定されたことによって報われました。以来、この規定は数回に渡って強化されています(主に2016年6月20日付の条例によって)。
ボトリティス・シネレア菌(貴腐菌)の付着した果粒は、糖分とアロマが凝縮され、甘く力強いワインを生み出します。