テロワールの特徴
繊細で主張ある酸味を感じるボリューム感のあるワインです。
一般的に凝縮し、はちみつのような、繊細な香りがあります。フルーツコンフィ、マルメロ、イチジク、完熟したパイナップルなどの特徴的なアロマが、白い花(ビロードモウズイカ、アカシア)の香りとスモーキーなニュアンスに組み合わされています。
ビロードのように柔らかなアタックから、余韻に向かって塩味が生まれる味わいが特徴です。甘味と酸味が非常に素晴らしいハーモニーを奏でる、見事なワインです。
力強くエレガント。これが中世時代から輝き続け私たちを魅了する、まるで魔法にかけられたような「鐘の山」の特徴です。
豊満でリッチ、複雑なゲロケルベルグのワイン。
繊細で主張ある酸味を感じるボリューム感のあるワインです。
一般的に凝縮し、はちみつのような、繊細な香りがあります。フルーツコンフィ、マルメロ、イチジク、完熟したパイナップルなどの特徴的なアロマが、白い花(ビロードモウズイカ、アカシア)の香りとスモーキーなニュアンスに組み合わされています。
ビロードのように柔らかなアタックから、余韻に向かって塩味が生まれる味わいが特徴です。甘味と酸味が非常に素晴らしいハーモニーを奏でる、見事なワインです。
テロワールの早熟性と生産者たちの取り組みにより、安定した品質のワインを生み出しています。早熟のヴィンテージ(1987年、1996年、2001年、2008年、2010年)は、その酸味による、生き生きとした味わいが特徴です。晩熟のヴィンテージ(1988年、1989年、1990年、2000年、2005年)は、個性的なフィネスを表します。2003年のように過酷な水分ストレスにさらされた年のみ、このテロワールでの生産は厳しい結果を示してしまいます。
ゲロケルベルグのワインは若いうちから楽しむことが出来ますが、熟成させる事でさらに味が深まります。ヴィンテージ2004年および2007年が、現在まさしく飲み頃です。
ゲロケルベルグのワインは次のお料理とよく合います:
斜面に広がるため栽培が難しい特級畑ですが、暖かく、ブドウの早熟を促す気候の恩恵を受けています。山脈によってカーブを描く花崗岩質のテロワールで育つブドウは、フィネス溢れる熟成向きのワインを生み出します。
そのほとんどは、ロデルン村の村はずれに広がっており、ほんの1部のみがサン・ティポリット村に広がっています。丘の斜面、畑の方角は南および南東です。特級畑の上部は急激な斜面に位置していますが、下部の勾配はなだらかなため、ファンネルの効果によって、程よい空気の流れを生み出します。
このテロワールはヴォージュ断層の西部、リボヴィレ断層の最北部に位置しています。ここでは、陥没によってライン地溝帯が出来た際、地殻構造への影響が大きく、広範囲にわたって土地に起伏やずれが生じたのです。
根源岩は、主要造岩鉱物として石英と雲母が混入したカリ長石の大きな結晶であるタネンキルシュ (THANNENKIRCH)の斑状変晶と呼ばれる花崗岩から構成されています。
気候条件に影響をうけた花崗岩が風化することで、真砂土となり、表土を形成し、その深さは土地の方角によって異なります。酸性の粒径の粗い砂状の粒子から構成された茶色の土壌です。
特級畑の上部には、頁岩と砂岩の欠片が花崗岩に混入しています。これらの土壌は、有効水分量が低いために、気温の高い年には乾燥に苦しむことがあります。丘の麓付近では、崩積土の堆積により、特に夏の終わりは、適度な保水性を保ちます。
ヴォージュ山脈によってしっかりと守られたアルザス地方中心部、最高峰の山頂(Brézouard、1228m)のあるこの地域は、フランスで最も降雨量の少ない地域の1つとなっており、ゲロケルベルグの年間平均降雨量は600mmから700mmです。さらに、東側の地平線上に遮るもののない南東に向いた丘は、主に頂上近辺の勾配が激しく、高さがそれほどでもないため、特級畑に最高の気温条件を提供しています。加えて、春には非常に簡単に温まる性質をもつ土壌のため、ブドウの早熟とほど良い成熟度をうながす条件が揃っているのです。
ここでは、95%以上のワインがピノ・グリとゲヴュルツトラミネールから造られています。
この2つの品種は、土地柄による早熟性、水分量の制限のため果粒が大きく成長することはなく、ブドウの見事な成熟を促す、このテロワールでの栽培に非常に適しています。
さらに、このリュー・ディの地形とミクロクリマを利用し、収穫したブドウに凝縮感を与えるため、頻繁にパスリヤージュが行われています。
「Kleckelberg 」(鐘の山)の頂上には、魔女たちが集まるという伝説が存在します。しかし現代の魔法使いとは、自然の美しさと素晴らしさをワインの中に反映させる術をもつ生産者たちだと言えるのではないでしょうか。
地方の資料によると、その昔、ゲロケルベルグのワインは、世界中の王族や貴族に愛されていたということです。1338年、聖ヨハネ騎士団に属するジャンとルドルフ・ド・ライヒェンベルク兄弟が、後にゲロケルベルグのグラン・クリュとなる区画にブドウ畑を所有していました。
その数年後(1343年頃)、ストラスブールのサン=トーマ教会とノートルダム寺院が、コルマールのサント=カトリーヌ修道院とブドウ畑を共有しており、ハンガリーの女王が、賃貸料として3樽半のワインを受け取っていました。
1370年、ロデルン住民が、セレスタのハンセン病療養所に、ゲロケルベルグのブドウ畑から生産されるワインを寄贈しました。
19世紀後期、このブドウ畑はマルムーティエ修道院にも同様にワインを贈っています。
現在、今まで以上に、ブドウ栽培への取り組みが重要視されています。ここでは急斜面なために、作業が非常に難しい上に、地中の有効水分量が少なく、浸食に弱い土壌での栽培となっています。
土壌の性質とブドウの生育を考え、推奨される植栽密度は、1ヘクタール当たり5000本です。同様に土壌への取り組みとして自然の草花と共存させる農法を採用しています。ブドウの成熟度を可能な限り高めるため、AOC法に定められた収穫量を超えることはありません。
生産者にとって、ゲロケルベルグの自然環境と生物多様性を守ることが、何よりも重要な使命です。セクシャル・コンフュージョンによってハマキガの幼虫からブドウ畑全体を守っているだけでなく、畑の周囲を取り囲むように木々を植えることが推奨されています。
グラン・クリュ・ゲロケルベルグの生産者は、この土地のアイデンティティをワインに反映させることに全力を注いでいます。収穫量が制限されている場合、シャプタリザシオン(補糖)の禁止と最適な植栽密度によって、テロワールを見事に表現するブドウを収穫することが出来るのです。
生産コストが非常に高いこの丘での栽培を続けるためには、唯一無二のワインを生み出すことが、生き残るための道となるのです。