シュロスベルグのワインの特徴はその軽やかさ、繊細な酸味、非常にデリケートなフローラルのアロマ、調和のとれた品のあるストラクチュアです。
数年の熟成後に飲み頃に達し、ある種のミネラル感または石のような印象を必ず感じることが出来ます。これは、熟成によって生まれるミネラル感ではなく、花崗岩がもたらす酸味による表現力です。
このテロワールで素晴らしい結果を残すのは間違いなくリースリングでしょう。
保温性の高さと豊かなミネラル成分を含むシュロスベルグの土壌が、この品種の個性に溶け込みます。生育期間の長いリースリングは、この土地で理想的な成熟条件を見出すのです。
ピノ・グリとゲヴュルツトラミネールは、軽やかさが特徴です。花崗岩の真砂土が、粘土質石灰岩土壌に見られるような香り高さではなく、純粋なアロマと素晴らしい優雅さをもたらします。

複雑で素晴らしい気品を備えるシュロスベルグのグラン・クリュ。
軽やかなボリューム感と爽やかさの組み合わせによる引き締まったストラクチュアが、真面目でありながらも甘さを感じさせる緊張感に寄り添っています。このグラン・クリュが持つ塩味の潜在能力は、基本的に余韻の中に広がり、花崗岩のミネラル感を発散します。
ここの主要品種であるリースリングは、柑橘類と新鮮な草の香りが特徴です。ピノ・グリは、新鮮な白い果実と同時にフレッシュアーモンドの香りを漂わせ、ゲヴュルツトラミネールは、新鮮な果実と花の香りを表現します。
過熟ブドウのワインは、精密で果汁感のある緊張感がもたらす、他に類を見ない力を有しています。
ロマン・イルティス
2012年度フランス最優秀ソムリエ & 2015年フランス最優秀職人賞(MOF)受賞
