ワインの特徴
このテロワールの独自性を表現する2種類のワイン。
1つ目はテロワールの独特な個性を表現する少量の貴腐菌が付着した過熟ブドウの辛口ワインです。若いうちは花とスパイスの香りを伴う、複雑で主張の強い果実味を表現します。酸味は柔らかく、率直で、クリスタルのようにエレガントです。さらに非常に質の良い苦みを残します。熟成後、本来の果実味はテロワールがもたらす独特なミネラル感へと変化します。
2つ目は、ヴァンダンジュ・タルディヴまたはセレクション・ド・グラン・ノーブルのラベル表記を伴う甘口ワインです。これは貴腐菌が付着したブドウから造られるワインです。この貴重なワインでは、グラン・クリュ・ヴィーベルスベルクの特徴である優雅さとフィネスが口中に広がります。
非常に稀なフィネスと主張あるミネラル感を組み合わせたテロワール。
ヴィーベルスベルクのワインの一口目は、優しい印象を受けますが、続いて個性の全てが明らかになっていきます。砂岩の特徴である時には「厳しい」と感じる爽やかで真っすぐな酸味が、優雅に表れます。質感は基本的に豊満で心地よく、洗練された余韻は、非常に控えめで、塩味が無限に持続する印象を与えます。
この繊細なミネラル感は全ての品種に見出すことが出来ます。そして、それぞれの品種の特徴となるアロマを中盤で感じることが出来ます。リースリングは品種の特徴である柑橘類の香り、ミュスカは個性的なフルーティーな香りを感じさせます。ピノ・グリとゲヴュルツトラミネールは、果実味の美味しさを余すことなく伝えます。続いて、全てが消え去り、テロワールの特徴であるミネラル感が余韻に残ります。
ロマン・イルティス
2012年度フランス最優秀ソムリエ & 2015年フランス最優秀職人賞(MOF)受賞