アルザスワインのヴィンテージ

1994年

雨が多く豊かな秋

天候

この年、開花期に訪れたアルザス地方の素晴らしい気象条件によって、見事なブドウが育ちました。

初夏に良いタイミングで雨が降り、その後、6月と7月には高い気温が続いたことで、ブドウの成長をうながし、果粒が急速に大きく育ちました。

通常はブドウの房が非常に小さいゲヴルツトラミネールを除き、この年は全てのブドウ品種の1房の重さが平均の1.5倍にまで成長しました。収穫量が大幅に増加する見通しから、ブドウ栽培者には頻繁にブドウの房の間引きを行う必要が課せられたのです。

8月、ブドウの成熟が急速に進んだ結果、誰もが優れた品質のヴィンテージを期待したことは、当然の結果と言えるでしょう。

収穫

予想だにしなかった9月中旬の雨天により、すでに熟したブドウの衛生状態への影響が心配されました。そのため、早熟型のブドウ品種と貴腐菌に耐性のない品種に対し、収穫開始日が早々に発表されたのです:

 

  • AOCアルザスおよびクレマン・ダルザスの品種オーセロワが9月16日。
  • AOCアルザスおよびアルザス・グラン・クリュ、クレマン・ダルザスの全ての品種が9月19日(ゲヴルツトラミネール、リースリング、シャスラ、シルヴァネールは9月28日)。

 

雨の多い9月でしたが、幸いなことに10月頭から非常に晴れた日が続きました。そのため、主にゲヴルツトラミネールとトケイ・ピノ・グリは、過去の最高級ヴィンテージに並ぶ、非常に高い糖度を示す健康なブドウを収穫することが出来ました。ヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルを造るための品種に関しては、大成功を収めた年となりました。これは、収穫量の制限というリスクを背負う生産者の忍耐強さが報われた結果と言えるでしょう。

1994年の収穫量は、アルザス、アルザス・グラン・クリュ、クレマン・ダルザスの3つのアペラシオンにおいて平均より6%増の1 236 000hlでした。この年、AOCクレマン・ダルザスは例年よりも多くの収穫量を記録しました。ヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルに関しても同様で、通年よりも収穫量が増えたばかりでなく、1994年の収穫の一部は、優れた品質を有しています。

アルザスワイン委員会(C.I.V.A.)

1995年2月

テイスティングノート

ピノ・ブラン・グランド・レゼルヴ1994 カーヴ・ド・ファッフェンファイム

外観は、美しく輝く黄金色です。マンダリンの樹皮と共にトーストのような香りを感じさせる複雑な香りです。口に含んだ印象は生き生きとしており、多少ガスを感じます。続いて、非常にまろやかな、甘酸っぱい味わいを感じます。ピノ・グリを連想させる香りに、より軽い味わいをもった、熟成タイプのワイン。時の経過と共により美味しさを増す素晴らしいキュヴェです。(2006年11月試飲)

ゲヴルツトラミネール・アルテンブルク・セレクション・ド・グラン・ノーブル1994 アルベール・マン

多くの輝きを放つ黄金色の素晴らしいキュヴェ。ハチミツと乾燥させたアプリコット、桃を感じさせる非常に若々しい香り。口に含んだ印象はまろやかで肉付きが良く、高い残糖量をほとんど感じさせないほど完璧に溶け込んだ甘味が優しい味わいを残します。非常にゆっくりと熟成する、長期熟成型の素晴らしいワインです。(2014年10月試飲)

1994年夏、雨と晴れの日の組み合わせが、収穫量の多さだけでなく、貴腐菌の発生を促しました。若いうちは非常に力強かったライトボディのワインですが、密度の低さから時間とともに急速に変化します。その代り、ピノ・ブランを含めたフルボディのキュヴェに関しては、完璧な熟成能力を有しています。質の良い貴腐菌の恩恵を受け、セレクション・ド・グラン・ノーブルの生産において代表的な年です。

ティエリー・メイエ(Thierry Meyer)

2016年、エノテーク・アルザス、講師

アルザスワインのヴィンテージ

ブドウ収穫はその年によって変化します!毎年、自然の理とでもいうべき異なる気象条件がブドウ栽培者に課せられます。 年によって、これら気候の変化がワインの品質に影響を与えます。特にこれらの要素は、ボトルでの熟成に対してある種の指標を与えます。

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