アルザスワインのヴィンテージ

1996年

気まぐれな過去数年間を払拭する非常に素晴らしいヴィンテージ。

天候

この年は、前の年に比べ生育期がやや遅くに始まり、厳しい年になりそうな気配を見せていました。

遅い萌芽、ゲヴルツトラミネールの開花不良、5月と8月の低気温など、不安な要因が多く見られました。しかし幸いなことに、1985年のようにブドウの衛生状態が完璧だったのです。

収穫期前には、ブドウの酸味は依然として高かったものの、晴れて乾燥した10月が、ブドウの成熟に有利に働きました。

収穫

乾燥した天気と完璧な衛生状態から、数多くの生産者はさらにブドウが熟すよう待つことが出来たのです。この忍耐強さは、主にこの年に大成功を収めたピノによって報われました。

AOCクレマン・ダルザスは9月25日に、AOCアルザスおよびアルザス・グラン・クリュは10月7日に収穫が始まり、収穫は非常に長期間にまたがりました。

朝霧の恩恵を受け、偉大な熟成型ワインとしての潜在能力を秘めたヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルの生産が可能となりました。

3つのアペラシオンで、前年より8%増の1 170 000ヘクトリットルの収穫量でしたが、これは過去5年の平均収穫量に並びます。

ワイン

ピノ・ノワールは色が濃く、トケイ・ピノ・グリとピノ・ブランは非常に肉付きが良く、アロマティックな美しいフィネスがあります。非常にバランスのとれた糖度/酸味が、非常に繊細な熟成型ワインであることを示唆しています。

その他の品種:ゲヴュルツトラミネール、リースリング、シルヴァネールは、このヴィンテージの特徴である非常に美しい爽やかさを表現していますが、地理的な区画によって品質と量に差がみられます。量的な観点から、ゲヴュルツトラミネールが不作の年でした。

アルザスワイン委員会(C.I.V.A.)
1997年2月

テイスティングノート

クレマン・ダルザス・フルール・ド・リス1996-ジャン=クロード・ブシェール

プェルシックベルグからエギスアイムで栽培したピノ・ブランを使った特別なキュヴェ。最後のボトルは9年間のシュール・ラット方式で保管した後、2005年末にデゴルジュマンされました。外観は、濃い黄金色がかった黄色の奥深い色合い。トリュフのアロマが支配する非常にアロマティックな香り。空気に触れると、煙とロウ、マルメロのアロマが現れます。アタックは明快で豊満。密度が高く豊かで、ゆっくりと消えていく泡から、美しい酸味と豊満さ、ミネラル性を兼ね備えたワインが姿を現します。ドライフルーツのアロマを伴う長い余韻。このワインの見事な質感と純粋さは印象的です。(2006年7月試飲)

グラン・クリュ・ステインクロッツ・リースリング・ヴァンダンジュ・タルディヴ1996-ロマン・フリッチ

ぺトロールの香りに、ほのかにスモーキーな黒トリュフのアロマが組み合わさった、濃厚な香りです。甘口ワインの特徴ともいえる奥深さと非常に良く溶け込んだ甘味を備えた豊満で凝縮感のある口当たり。クリーム系ソースを添えた魚介類料理に相応しいワインです。(2006年12月試飲)

このヴィンテージが持つ素晴らしい酸味は、長期熟成を保証する要素として酸味だけでは十分でなく、全体的なブドウの成熟度も重要であることを証明しました。そのためにいくつかのキュヴェにみられるカミソリの刃を連想させる酸味は、一方ではやや急速に進化し、その他では酸化する結果となるのです。遅い時期に収穫したキュヴェは、貴腐菌の恩恵により、素晴らしいピノ・グリまたはゲヴルツトラミネール、さらに豊満なリースリングが造られました。現在これらのワインの多くは、ブドウ品種に限らず、このヴィンテージの特徴である黒トリュフとマルメロのアロマを感じさせます

ティエリー・メイエ(Thierry Meyer)
2016年、エノテーク・アルザス、講師

アルザスワインのヴィンテージ

ブドウ収穫はその年によって変化します!毎年、自然の理とでもいうべき異なる気象条件がブドウ栽培者に課せられます。 年によって、これら気候の変化がワインの品質に影響を与えます。特にこれらの要素は、ボトルでの熟成に対してある種の指標を与えます。

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