アルザスワインのヴィンテージ

2004年

素晴らしいヴィンテージ2003の後、通年通りの出来栄えとなり、生産者にある種の安心感を与えた2004年。

バランスへの回帰

天候

この年の流れを振り返ってみましょう。1月末にやや暖かかったものの、通年通りの冬になりました。しかし、前年に引き続き降雨量の不足が記録されました。早春、天候は変わりやすく、曇りの日が続きます。萌芽は4月中旬に始まり、乾期の続く春によって、2003年に観測された天候が再び繰り返されることが心配されました。6月中旬、定期的で均一な降雨と開花が、生産者たちに安心感を与えました。しかし、雨による高湿度な状況がうどんこ病を発生させ、ブドウ畑のを厳格に管理することが必要となったのです。豊作の見越しから収穫量を制限するため、多くの生産者が、7月の間に余分で未熟なブドウ房を取り除く摘房作業に取り掛かります。雨の多い8月でしたが、それとは対照的に9月頭にはブドウの生育にとって非常に好ましい高気圧が戻ったことで成熟が進み、何よりも完ぺきな衛生状態を保つ役割を果たしました。

収穫

収穫開始時、ブドウは優れた成熟度と完璧な衛生状態を保っており、2004年は、2003年と比較して通常の酸度レベルでした。10月20日以降大雨に見舞われ、灰色カビが発生したことから、偉大なヴィンテージへの期待が膨らみました。そのため、このヴィンテージの特徴であるバランスの良さを維持するため、より迅速な収穫へと生産者を駆り立てたのです。

品種による成熟度のバラつきを考慮し、2004年の収穫開始日は以下の通りです:

  • AOCクレマン・ダルザスが9月20日。
  • AOCアルザスとAOCアルザス・グラン・クリュの品種が9月30日から10月11日。

ヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルの収穫は、その品種とアペラシオン毎に、公式の収穫開始日から最低でも15日後に開始しました。

全体の収穫量は1 263 564 hlです。その内訳は、AOCアルザスが1 003 183 hl (+3% / 平均収穫量)、AOCアルザス・グラン・クリュが45 435 hl (+2,1% / 平均収穫量) 、AOCクレマン・ダルザス214 946 hl (+35,6% / 平均収穫量)でした。販売数の急激な上昇により品薄状態であったクレマン・ダルザスですが、この年は生産が大幅に増加したことで、その在庫数を回復させることが出来ました。収穫終了間際の天候によって、ヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルの生産は、それぞれ11 059 hl と1 465 hlに制限されました。

ワイン

クレマン・ダルザスは、そのフィネスによって生産者たちを満足させる出来栄えとなります。ほど良い爽やかさによって、このアペラシオンらしい特徴を表現しています。シルヴァネールとミュスカ、ピノ・ブラン、リースリングの特徴がそのまま表れ、非常にバランスが良く、繊細で何よりも非常にアロマティックです。ピノ・ブランとリースリングは、このヴィンテージで最も成功した品種に数えられます。ピノ・ノワールは、2003年と比較して密度は高くないものの、コクがありエレガントで、濃い色合いが特徴です。収穫終了間近の降雨に悩まされたゲヴュルツトラミネール、特にピノ・グリですが、それにも関わらず非常にフルーティーな味わいを保っています。

アルザスワイン委員会(C.I.V.A.)
2005年3月

テイスティングノート

グラン・クリュ・ヘングスト・ゲヴュルツトラミネール 2004-ツィント・フンブレヒト

植物性の香り(ジャスミン、ライチ)から、すぐさまスパイス、革、燻製の香りに変化する開いた香り。豊満で、非常に力強く、ミネラリーな味わいが、厚みと共に、ドライと言えるほど密度の高いバランスへと進化します。非常に力強く、スパイシーでスモーキーな長い余韻。テロワールの特徴を備えたバランスの良い辛口ワイン。若いうちから表現力が豊かですが、長期熟成向きに造られています。(2009年7月試飲)

グラン・クリュ・シュロスベルグ・リースリング・ヴァンダンジュ・タルディヴ・トリ・スペシアル2004-ドメーヌ・ヴァインバック

2004年は、泥灰土や石灰質土壌でのリースリングの栽培が難しい年でしたが、シュロスベルグにみられる水はけのよい花崗岩土壌は、リースリングの優れた成熟を促しました。シュロスベルグでは珍しく、10月に降った雨が、貴腐菌を大量に発生させ、リースリングの果粒は数日の間にピンクに色づきました。丘の中腹の真ん中に位置するドメーヌで最も樹齢の高い区画から、ヴァンダンジュ・タルディヴの特別なキュヴェ「トリ・スペシアル」が生まれます。レモンの砂糖漬けとルビーグレープフルーツのアロマ漂う、貴腐菌の付着したリースリングのエッセンス。クリスタルのような純粋さとほんのりとした塩気が、甘さをやわらげ、非常にエレガントなワインに仕上げています。アルザス地方で最初にグラン・クリュに認定されたテロワールへのオマージュと言える出来栄えです。(残糖量87 g/l )(2010年11月試飲)

 

爽やかさと熟成度を見事に組み合わせた典型的なヴィンテージ。10月の雨の後、比較的遅めに収穫されたワインに関しては、素晴らしい熟成能力を誇ります。貴腐菌の発生により、時によっては甘みのある味わい豊かなワインが誕生しました。ゲヴュルツトラミネールとリースリングのイラスト

ティエリー・メイエ(Thierry Meyer)
2016年、エノテーク・アルザス、講師

アルザスワインのヴィンテージ

ブドウ収穫はその年によって変化します!毎年、自然の理とでもいうべき異なる気象条件がブドウ栽培者に課せられます。 年によって、これら気候の変化がワインの品質に影響を与えます。特にこれらの要素は、ボトルでの熟成に対してある種の指標を与えます。

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