アルザスワインのヴィンテージ
2014年
技術を駆使したヴィンテージ
天候
冬は比較的暖かく乾燥しており、春の高い気温が萌芽と開花を促進しました。そのため、春に入ってすぐ早熟なヴィンテージが予想されたのです。6月末、いくつかの区画が水不足に悩まされ、それまで早く進んでいた生育が、その速度を落とします。夏、特に8月は、全体的に涼しい気候となりました。
しかし9月の高い湿度と暖かい気温が、果実を好むオウトウショウジョウバエを発生させてしまいます。このハエは、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・ノワール、ミュスカ、そして一部のピノ・グリなど、赤ワイン品種を中心に被害を与えました。
収穫
生産者にとって、細心の注意が必要となる収穫でした。オウトウショウジョウバエによる被害を抑えるため、畑内で非常に厳しい選別作業を行い、素早く丁寧なムストの清澄化の後、すぐさま発酵へと移りました。
2014年の収穫開始日は次の通りです:
10月に例外的な晴天を迎えましたが、衛生状態の変化が生産に大きな影響を与えるヴァンダンジュ・タルディヴおよびセレクション・ド・グラン・ノーブルに関しては、比較的厳しい収穫でした。収穫量は、2013年の収穫量の2倍以上である7 220 hlでしたが、平均収穫量を大きく下回っています。
2014年の全ての品種を合わせた収穫量は、2013年の+ 2,3% 、1 011 897 hlでしたが、過去5年の平均収穫量と比較すると5,2 %減となります。その内訳は、AOCアルザスが704 518 hl(うち34 276 hl がコミューンとリュー・ディ)、AOCアルザス・グラン・クリュが36 151 hl、AOCクレマン・ダルザスが271 228 hl でした。
ワイン
全体的に厚みと豊満さにかけるものの、非常に爽やかなワインです。そのため、フィネスと爽やかさを重ね持つクレマン、特にリースリングとシルヴァネールが、この特殊なヴィンテージの勝者と言えるでしょう。ゲヴュルツトラミネール、ピノ・ノワール、ピノ・グリの質は、畑で行われた選別作業が決め手となりました。しかし、非常に強いフローラル系の香りを備えており、特にゲヴュルツトラミネールに至ってはスパイシーなアロマを感じさせます。
アルザスワイン委員会(C.I.V.A.)
2015年5月