アルザスワインのヴィンテージ
1990年
リースリング・キュヴェ・フレデリック・エミール1990
トリンバック
ガイスベルグとオストベルグの丘の斜面に位置するリボヴィレのドメーヌと隣接する区画から造られるキュヴェを代表するヴィンテージ。時間の経過によってまろやかになったアロマは、バターとマイルドなスパイスをほのかに感じさせ、炭化水素のニュアンスを持っています。口に含んだ印象は調和がとれており、純粋で、密度が高く、酸味が見事に溶け込んでおり、非常に長い余韻を残します。豊かさと厚みを組み合わせたワインは、高級魚によく合います。50年以上保管できるワインです。(試飲)
グラン・クリュ・ミュンシュブルグ・リースリング1990
セレクション・ド・グラン・ノーブル1990
アンドレ・ オステルタグ
1990年のように貴腐菌が十分に付着したときにのみ造ることが出来る貴重なキュヴェで、アンドレ・ オステルタグの分類するところの「les vins de temps(時のワイン)」のカテゴリーに属します。非常に香り高く、乾燥させたアプリコットと柑橘類のコンフィを組み合わせた香りが、より繊細なゼストの香りへと続きます。口に含んだ時に感じる強い甘さは、味全体に軽さをもたらす塩味を強調する強烈な酸味を残しながら時間と共に溶け込んでいきます。25年以上ものは、ペアリングせずワインそのものを味わって楽しみましょう。(試飲日2005年4月)
完熟した純粋なブドウから生まれ、生産者とブドウ品種、テロワールの良さが見事に融合した優れた品質を誇る間違いなく20世紀末における最高のヴィンテージの1つ。赤ワイン、辛口または甘口の白ワイン共に素晴らしく、25年以上の熟成には不向きないくつかの例外的なキュヴェを除けば、大部分のワインは非常に高い熟成能力を持っています。前年のヴィンテージよりも、この年のヴィンテージを生産者がカーヴに保管していることからも、時間に耐える潜在能力の高さをうかがわせます。
ティエリー・メイエ(Thierry Meyer)
2016年、エノテーク・アルザス、講師