グラン・クリュ

フルステンテュム

ケインツハイム&シゴルスハイム

風に守られたカイゼルスベルグ渓谷(Kaysersberg)の中心に、フルステンテュムの丘はあります。畑の方角は南南東、石灰質を好む地中海原産の植物で覆われた丘です。

茶色い石灰質の小石や骨を含む排水性の良い土壌で、根源岩が露出しています。第三紀の礫岩によって覆われたジュラ紀中期ドッガー階の泥灰土・石灰岩・砂岩から構成されるテロワールです。

傾斜がきついため(勾配度37%)、保温性と保水性に優れた土壌への日当たりが良くなっています。このように、偉大なワインを造るための条件が揃ったテロワールです。

フルステンテュムの総面積は30.50ヘクタール。リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ・ダルザスが栽培されています。

1330年にはすでに、バーゼルの修道院が所有していたブドウ畑のリストにフルステンテュムの名が記載されています。 

熟成向きのフルステンテュムは、見事なフィネス、並外れた力強いアロマが特徴のワインです

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Citation

エキゾチックな表現力が特徴のグラン・クリュ。

このテロワールから生まれたワインは、稀なバランスの良さを表します。おおらかな酸味が寛容な味わいに溶け込んでいます。多くの場合、豊かな質感は口全体に広がる豊満さをワインに与えます。はちみつのように優しい軽さが、パイナップルやマンゴーを主としたトロピカルフルーツが特徴の複雑な幅広いアロマを引き立てます。丸みのある甘い余韻に塩味が加わり、潤いある表現力を完成させています。

多くの場合、リースリングは優しい甘味が唾液の分泌を誘う、特徴的な柑橘類のコンフィの香りを漂わせます。ピノ・グリとゲヴュルツトラミネールは、このテロワールによって、豊かであると同時にバランスよく口の中で広がる果実味を表現することが出来ます。一般的に過熟ブドウのワインを造ることが出来るテロワールです。

ロマン・イルティス

2012年度フランス最優秀ソムリエ & 2015年フランス最優秀職人賞(MOF)受賞

Consommation

ここの特級畑からは、熟成の有無に関わらず楽しめるワインが生まれます。若いうちはすでに、フルーティーな表現力を楽しめます。続いて数年の熟成後は、テロワールの特徴である寛容さが溶け込み、繊細な質感のワインになります。

早熟のヴィンテージ:ハチミツの風味がワインのとろけるような質感を強調します。特に凝縮された果物のコンフィの香りが、溢れる果汁感とのバランスを保ちます。

晩熟のヴィンテージ:その爽やかさによって、新鮮な果実味を表現します。ブドウにかじりついたような味わいが、心地よく魅力的な酸味を与えます。


Accords

ワインの寛容さが、豊かな味わいの料理によく合います。スパイスを多く使ったインド料理またはオリエンタル料理など、このクリュの気品ある質感と見事にマッチします。パエリア、カレー風味のナヴァラン、ハーブを添えたアンコウなども食感と質感の素晴らしい組み合わせとなるでしょう。