晩熟で乾燥したテロワール、そしてヴォージュ山脈の陰によって、ゆっくりと成熟し、衛生状態の優れたブドウが収穫できます。これがワインに非常に純粋なアロマと(ここでは貴腐菌の付着はわずか)複雑性(ゆっくりとした成熟に関連して)を与えます。
深い土壌なため水分とミネラル成分が定期的に補給され、均一な成熟をうながします。そのため、ブドウの生理学的成熟が暑さや水分ストレスによる影響を受けることは非常に稀です。
ワインにタンニンを感じる、またはドライな味わいになる事は決してありません。カルシウムとマグネシウムが豊富な土壌は、本質的にカリウムの含有量が低くなっています。そのため酒石酸がカリウムと結びつくことがなく、酸による強いストラクチュアがワインに生まれます。こうして、ロザケールのワインに熟した強烈な酸味による、非常に「酒石酸」的な特徴が生まれるのです。
つまり、ロザケールのワインは純粋で複雑で、苦みまたは焦げ臭がありません。リースリングは辛口で力強く、凝縮感があります。過熟までいかない、熟したアロマを感じます。一般的に、ワインの緊張感を強調する見事な塩味を感じます。ゲヴュルツトラミネールはリッチで、柔らかさがありますが、甘口になる事は稀です。品種本来の豊かさとテロワールがもたらす爽やかさが組み合わさっているため、ロザケールのゲヴュルツトラミネールが重くなることは決してありません。ピノ・グリは辛口または甘口に関わらず、酸味と塩味がバランスの良さをもたらします。
ブドウ畑の中で最も強い個性を有するテロワールの1つ。
この特級畑は緊張感と質感によって、ワインに肉付きの良い骨格を与えます。
グラン・クリュの洗練され、精密で、終わりが見えないほど長く続く余韻が、ワインに個性を与えています。
リースリングは、ローリエやスイカズラ、アカシアの花など、高貴な植物の香りを漂わせます。ピノ・グリは新鮮な白い果実の香り、ゲヴュルツトラミネールは春の花の心地よく魅力的な香りをまといます。
ロマン・イルティス
2012年度フランス最優秀ソムリエ & 2015年フランス最優秀職人賞(MOF)受賞