グラン・クリュ

マンデルベルグ

ミッテルヴィール&べブレンハイム

「アーモンドの木の丘」は、両手を広げて太陽の日差しを受け入れ、その輝きをワインに反映させます。テロワールの調和を全て表現する、豊満でバランスの取れたワインが特徴です。

  • 土壌の種類 粘土質石灰岩
  • 栽培面積(ヘクタール) 20
  • 畑の方角 南、南東および南西
  • コミューン ミッテルヴィール&べブレンハイム
  • Altitude 205 ~256m
  • ブドウ品種(割合%)
    • ゲヴュルツトラミネール 54%
    • リースリング 39%
    • ピノ・グリ 7%
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グラン・クリュ マンデルベルグ

ワイン

フルーティーで力強く、寛容なワインを造るための要因が全て揃ったテロワールです。

テロワールへの取り組み

ほど良い緊張感と質感を持つ、バランスの良いリースリング。豊かなハーモニーを奏でます。

若いうちからフルーティーなアロマを際立たせる緊張感によって、品のあるエレガントな余韻が生まれます。

セルジュ・デュブス
2007年度フランス最優秀ソムリエ

力強く、ボリューム感と厚みある味わいのゲヴュルツトラミネール

香り高く品のあるボディ。複雑なアロマを与えるテロワールの恩恵を受け、熟成と共にオリエンタルな表現力が、見事な肉付きの骨格に溶け込んでいきます。

セルジュ・デュブス
2007年度フランス最優秀ソムリエ

豊満でボリューム感のあるマンデルベルグのワイン。

中盤には、豊満と寛容、バランスの良さのある味わいです。多くの場合、パート・ド・フリュイやバニラなど、パティスリーの甘いアロマを感じます。洗練された苦味が支える伸びの良さが、ワインの特徴である心地よい酸味を表現しています。
リースリングらしい生き生きとした味わいが、マンブールが与える肉付きの良さと共鳴します。ピノ・グリとゲヴュルツトラミネールは、しっかりとしたストラクチュアと優雅さを兼ね備えた寛容な味わいです。

ロマン・イルティス
2012年度フランス最優秀ソムリエ & 2015年フランス最優秀職人賞(MOF)受賞

選び方とサーブ

ヴィンテージ

早熟のヴィンテージ:ワインの柔らかさは繊細で、コンフィの香りと複雑なアロマが広がります。

晩熟のヴィンテージ:マンデルベルグの特徴であるボリューム感が、より強い酸味を包み込みます。より爽やかな果実味を表現します。

ロマン・イルティス
2012年度フランス最優秀ソムリエ & 2015年フランス最優秀職人賞(MOF)受賞

お勧めのペアリング

豊満さと肉付きの良さによって、個性的でスパイシーな料理と非常に相性のいいマンデルベルグです。魚のパイ包み焼、ウサギ肉、鶏肉などスパイス使用の有無を問わず、うま味の強さがある料理が、ワインのアロマとストラクチュアを強調します。

ロマン・イルティス
2012年度フランス最優秀ソムリエ & 2015年フランス最優秀職人賞(MOF)受賞

Mandelberg5-2
Mandelberg
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グラン・クリュ マンデルベルグ

テロワール

自然

バランスの良さが全てともいえる素晴らしい日照条件を備えた粘土質石灰岩土壌の畑は、ゲヴュルツトラミネールの栽培に理想的なテロワールです。

場所

ミッテルヴィール北部、「アーモンドの木の丘」を意味するマンデルベルグの丘に広がっています。
村周辺の急斜面は、リクヴィール(Riquewihr.)の窪地から流れ出る水を排出するゼンバッハ(Sembach)小川の浸食による結果です。丘の頂上近辺の勾配はなだらかで、北方向に向かって平地を形成しています。畑の方角は、そのほとんどが南向きで、アルザス平野との合流地点で東に傾いています。

土壌

ライン断層に隣接する漸新世の礫岩地層から生まれた土壌です。これは茶色の石灰質土壌で、転がって丸くなった小石と断面のとがった小石を大量に含んでいます。そのため、ブドウの根が地中深くにまで伸びやすくなっています。これが、粘土の含有量が高いために土壌の保水力が高い条件と重なり、夏季に適度な水分を確保することが出来ます。

ミクロクリマ

複数の要因が重なった結果、生まれたのがマンデルベルグのミクロクリマです。畑の大部分が南の方角を向き、丘の比較的低い標高(205から256m)が、地域の平均気温にプラスの影響を与えています。
ヴォージュ山脈から2~3km離れているため、テロワールは夕方遅くまで日差しを浴びることが出来ます。最後に、北に伸びた平地が冷たい風からしっかりと守ってくれます。
この標高で生息していることが珍しいアーモンドの木の存在が、この地域の温かな気候を証明しています。

人々

受け継がれる遺産

数多くのグラン・クリュ・アルザスがそうであるように、マンデルベルグも古代ローマ時代からブドウ栽培が行われており、中世時代には人々に愛され、羨望されたテロワールでした。しかし、カール大帝がこの地を通過したという証を現在にも残すのは、この土地だけです。

古代ローマ時代から名の知れたテロワールでは、ブドウ畑のそばにアーモンドの木が植えられており、そこから丘の名前が生まれました。

ある日、イタリアに向かうカール大帝が、おそらく美味しいワインでのどを潤すためでしょう、ミッテルヴィールの丘の上で休憩をしました。彼ら一行が立ち去った後、奇妙な貝殻が地面に散らばっていました。地元の人々は、不吉な予感を打ち消すように、これを地面に埋めたところ、しばらくして、アーモンドの木が育ったのです。こうして古代ローマ時代からすでにブドウ栽培が行われていたこの地に、「アーモンドの木の丘」という意味を持つマンブールという名前がついたと言われています。

その昔、ローマ帝国軍は征服した土地の境界線をブドウ栽培によって示していたと言われています。ブドウの木とアーモンドの木は、それぞれが異なる文明の象徴なのです。遠い昔、ブドウとアーモンドの原産地の国でもそうであったように、現在のマンデルベルグでは、この2種類の木は切っても切り離せない関係にあります。現在、ブドウとアーモンドの木はミッテルヴィールを象徴するアイデンティティとなっています。そのアイデンティティは、 家族経営でブドウ栽培に取り組む数多くの生産者の情熱によって支えられています。

中世時代、貴族と聖職者は、ほかの地域と同じくここでも、最高のブドウ畑を奪い合っていました。グラン・クリュを構成する数多くの区画と過去の地域名称は、この地を収めていたオルブール(Horbourg)とヴュルテンベルク(Wurtemberg)の領主、およびサン=ディエまたはエベルスマンステ、マールバッハ、パリなど数々の修道院による丘に対する熱意を証明しています。

Victor Canales
Synvira

マンデルベルグの名称は、1925年よりアルザスワインのラベル表記に登場し、1992年にAOCアルザス・グラン・クリュに認定されました。