ここでは、リースリングが主要栽培品種です。常に高レベルの酒石酸を含む完熟ブドウを収穫することが出来ます。そのため、花や柑橘類(ベルガモット)のエレガントで軽やかなアロマと共に、早く開くワインが生まれます。表には出てこない見事な緊張感を伴う、繊細でクリスタルのようなミネラル感を感じます。若いうちも心地よいワインですが、優雅なバランス感を保ったまま10年間は熟成が可能です。
ミュスカは、フィネス、優雅さ、純粋さを兼ね備えています。
日照条件に恵まれ、早熟なヴィネック・シュロスベルグの特性によって、見事な成熟度、多くの場合貴腐菌が付着したピノ・グリとゲヴュルツトラミネールを収穫することが出来ます。
そのため、ヴァンダンジュ・タルディヴまたはセレクション・ド・グラン・ノーブルの生産が可能です。フローラル系(バラ)とアニス、スパイスの香りを伴う開放的でアロマティックなワインは、非常に優雅で純粋、軽やかです。花崗岩がもたらすミネラル感と塩味の骨格によって、軽やかになった甘さを感じます。このミネラル感が、ワインの味わいを育て、高みへと引き上げているのです。
このグランクリュは、クリスタルのような印象を与えます。
口の中に広がる見事な爽やかさを感じさせる精密な味わいが、ワインの軸をなす要素となっています。この酸味は真っすぐで、時によってはやや大人しく、しかし常に率直にワインの軸を構成しています。伸びのある質感は、岩水を思わせる見事な緊張感を伴う強烈な余韻へと続くプレリュードでしかありません。
リースリングはこのテロワールで見事な結果を残します。アタックに閉じていると感じることもありますが、中盤で見事なフィネスが広がります。
ピノ・グリとゲヴュルツトラミネールは、同じ骨格を持ち、寛容さとよりエキゾチックなアロマが加わっています。全ての品種で、繊細なミネラル感を余韻に感じます。
ロマン・イルティス
2012年度フランス最優秀ソムリエ & 2015年フランス最優秀職人賞(MOF)受賞